LGBTQ+に関する用語をわかりやすく解説していると、韓国で話題となっている「YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)」さんのブログ。 これをご本人の許諾のもと日本語に翻訳し、日本のみなさんにもお届けします!

 

日本のみなさん、こんにちは。
YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)です。

今日はジェンダーの二つの大きな分類である「シスジェンダー(cisgender)」と「トランスジェンダー(transgender)」について解説したいと思います。

[第1回]から読む:https://tokyorainbowpride.com/magazine/lgbtqcourse/10419/

セクシュアル・マイノリティ用語:基礎中の基礎(資料更新:2018.09.15)

# 1. シスジェンダー(Cisgender)

■ シスジェンダー(Cisgender)

指定性別(assigned sex)と、性自認(gender identity)が一致している人を言います。
※指定性別:生まれたときに割り当てられた性別
※性自認(gender identity):いわゆる「こころの性」

例えば、生まれたときに女性てられ、自分を女性だ自認している人はシスジェンダーです。
多くの人がここに属します。

 


 

# 2. トランスジェンダー(Transgender)

■ トランスェンダー(Transgendar)

指定性別(assigned sex)と性自認(gender identity)が一致していない人を言います。
※指定性別:生まれたときに割り当てられた性別
※性自認(gender identity):いわゆる「こころの性」

例えば、生まれたときに女性てられたけど、自分を男性だと自認している人はトランスジェンダーです。
性別適合手術sex reassignment surgery)の有無とは関係がなく、性自認が男性・女性ではなく、3のthird genderである場合も含まれます。

※FTM(Female to Male):指定性別(assigned sex)は女性femaleだけど性自認(gender identity)は男性maleのトランスジェンダーを表す略称。 「トランス男性」とも言う。
※MTF(Male to Female):指定性別(assigned sex)は男性(male)だけど性自認(gender identity)は女性(female)のトランスジェンダーを表す略称。 「トランス女性」とも言う。

 

■ トランスセクシュアル(Transsexual

自分が持って生まれた生物学的性別(biological sex)と異なる性別の身体的条件を、ホルモン投与、性別適合手術(sex reassignment surgery)などなんらかの医療行為によって得ている(あるいはそれを願っている)トランスジェンダー(transgender)を意味します。

有名なカーダシアン(Kardashians)家(*1)の「父」であり、オリンピック金メダリストで、「男の中の男(The men's man)」と称されたブルース・ジェンナー(Bruce Jenner/写真左)が2015年にトランスジェンダーであることをカミングアウトし、ケイトリン・ジェンナー(Caithlyn Jenner/写真右)と名前を変え、性別も移行し、大きな話題となった。

[編註*1]カーダシアン家:一家がみんなスーパーセレブで、この一家の人々を追ったリアリティTV番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ(『Keeping Up with the Kardashians』)』が全米で人気を博している。
■ 公式サイト:http://kardashians.jp

 

■ 性別違和(Gender Dysphoria)

自認する性別(gender identity)/いわゆる「こころの性」と、生物学的性別(biological sex)/いわゆる「からだの性」が一致していないことからくる苦痛や不快感。
性自認が男性でも女性でもなく、3のthird genderである場合も含まれます。

性別違和を抱えている人は、生物学的性別と、自認する性別を一致させるために、自認するジェンダー(社会的性)に合わせた服を着たり、名前を変えたり、ジェンダーの役割を体現することもあり、場合によっては、性別適合手術を受けることもあります。

※1980年に発行された『DSM-Ⅲ』では、性転換症(Transsexualism)と児童の性同一性障害として記載されており、1994年に発行された『DSM-Ⅳ』では「Gender Identity Disorder(GID:性同一性障害)」という名前で紹介され、精神障害に分類されました。しかし、2013年に発行された『DSM-Ⅴ』では「disorder(障害)」を「dysphoria(違和)」という言葉に変え、「gender dysphoria(性別違和)」とすることで、精神障害の分類から除外されました。

※DSM=精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)のことで、アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association:APA)が発行しています。 精神疾患の診断に際し、国際的に最もよく用いられています。

性別違和は非常に若い年齢から現れることもあります。

事例 1.

男の子に生まれた6歳のCoy Mathis2014.10.07.現在)は生後18か月で自分を女性と認識し、今では女性らしい服装や髪の長さを備え、パスポートの性別表記も女性(female)で変えました。 (アメリカ)

Coy Mathis

事例 2.

6歳のTyler(2013.7.11.現在)は、お母さんが着せてくれたピンクのドレスとプラスチック製の冠を身につけていたKathryn(女性の名前)でした。3歳のとき、自分は男の子(boy)だと親にカミングアウトし、その後、親と一緒に「Tyler」という名前を選んで改名しました。Tylerは自分はトランスジェンダーではなく、本当の男の子(boy)だと主張します。「I AM A BOY!」(アメリカ)

Tyler

事例 3.

13歳のJazz Jennings(2014.10.07.現在)は、男の子に生まれたが、物心がついてからずっと、自分は女性だったと言います。トランスジェンダーの女の子としての自身の生活を描いた『I Am Jazz』という本を執筆しました。 (アメリカ)

Jazz Jennings

事例 4.

男の子に生まれた6歳のLuanaは(2014.10.07.現在)、言葉を習い始めた瞬間から、自分は女の子(girl)だと言ってきました。(アルゼンチン)

Luana

<参考資料:http://www.oddee.com/item_98900.aspx

 

■ ジェンダーバイナリー(Gender Binary)、性別二元制

ジェンダーを男性女性、この二つのみで区分した伝統的で画一的な社会規範のこと。
性別二元制。
多くの人がこの社会規範に囚われています。

 

■ ノンバイナリージェンダー(Non-binary Gender)

性別二元制の視点で区分することなく、男性(male)でも女性(female)でもないと自分を位置づけること
第3の性という場合もあります。

 

■ ジェンダークィア(Genderqueer)

ジェンダーが性別二元制を超越し、男性(male)でも女性(female)でもなく存在している人。
第3の性という場合もあります。

 男性でも女性でもないノンバイナリージェンダー(non-binary gender)と似たような意味を内包していますが、「クィア(queer)」という用語のその政治性ゆえに、ノンバイナリージェンダーよりも多少、政治的な意味が加えられています。しかし、あまり厳密に区別せずに使われています。 

※ノンバイナリージェンダー(non-binary gender)とジェンダークィア(genderqueer)は、トランスジェンダー(transgender)のカテゴリーに含まれます。

ジェンダークィア(genderqueer)には、
*男性と女性が混じったアンドロジン(androgyne)
*複数の性別へ流動的に変化するジェンダーフルイド(genderfluid)
*どんな性別も持っていない、アジェンダー(agender)やジェンダーレス(genderless)
など、無数のジェンダーが含まれています。

ジェンダークィアの種類(資料作成:2018.09.15)

アンドロジン、ジェンダーフルイドなどジェンダークィアに関する用語については、次回解説したいと思います。

 

両端の1や12に含まれていないジェンダーはすべてジェンダークィア(ノンバイナリージェンダー)に含まれます。ジェンダーはスペクトル(spectrum)です。この線上の端には男性と女性がいますが、男性と女性を含めていない、この線上外のジェンダーも存在します。

 


 

女性として生まれたがジェンダークィアであるとカミングアウトし、俳優のレオナルド・ディカプリオに似ていることでも有名な、スウェーデンのモデル、エリカ・リンダー(Erika Linder)を紹介して、今日の講座は終わります~。

「私は一つのジェンダーだけを持つには想像力が豊かすぎる」〜 エリカ・リンダー

 

では、次回の講座で会いましょう♥
ハッピープライド!

続けて[第3回]を読む:https://tokyorainbowpride.com/magazine/lgbtqcourse/11007/

 

※本連載は24回で完結します。各回個別の解説だけでなく、全体を通して、LGBTQ+について、少しでも理解が深まればと考えています。

※LGBTQ+に関する用語や定義等は、新しい研究成果やものの見方、知見によって更新されていくものです。また、考え方や立場などによって見解が異なる場合もあるでしょう。これが「正解」という明確な答えがないことは承知しつつ、なるべく一般的で、できるかぎり新しい見解を取り入れられるよう努めていきたいと思っています。その点、ご理解ください。

 

原文:YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)
JLIPSという名前でユーチューブ活動をしていて、ジェンダーとセクシュアリティに関するブログである마성의 게이を運営している。
( Youtube:http://youtube.com/jlipss / Blog:http://blog.naver.com/queerdigger
日本語訳:on Lee(TRP理事)