LGBTQ+に関する用語をわかりやすく解説していると、韓国で話題となっている「YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)」さんのブログ。 これをご本人の許諾のもと日本語に翻訳し、日本のみなさんにもお届けします!

 

日本のみなさん、こんにちは。
YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)です。

今日は前回少しだけお話したタチ、ウケ/ネコ、リバという用語について解説したいと思います。

前回の講座で同性愛者に「男の役割」と「女の役割」というものはないと話しましたね。

[第5回]から読む:https://tokyorainbowpride.com/magazine/lgbtqcourse/11548/

しかし、ゲイの世界には、トップ、ボトム、オール(日本語だと、タチ、ウケ/ネコ、リバ)、
レズビアンでは、ブッチ、フェム、全天、無性向(日本語だと、タチ、ネコ、リバ)、
という用語があります。
これらの用語の意味を、まず解説しますね。

 

ゲイ用語

■ トップ(top)[日本語ではタチ
セックスのときのポジションで、攻める(リードする)側のこと、またはアナルセックスで挿入する側のこと。

■ ボトム(bottom)[日本語ではウケ/ネコ
セックスのときのポジションで、受ける(リードされる)側のこと、またはアナルセックスで挿入される側のこと。

■ オール(all)[日本語ではリバ
タチとネコ、どちらもできる人のこと。

タチが必ずしも「男らしい」必要もなければ、ネコが必ずしも「女らしい」必要もなく、
タチとネコの組み合わせだけが、セックスをするわけでもありません。
タチとタチ、そしてネコとネコがセックスをすることもあります。

 

そして!
ゲイはみんなアナルセックスを好む、という偏見がありますが、それは全然違います!

アナルセックスを不快に感じたり、負担に感じたりするゲイもたくさんいます!

なので、そういう方は挿入なしのセックスをしたり、セックスをしなかったりするそうです。
※挿入なしのセックスを「バニラセックス」と呼ぶこともあるそうです。
(筆者はレズビアンなので、このあたりのことは、あまり詳しくありません)

それでは次に、筆者の専門、レズビアン用語に進みます~

 

レズビアン用語

■ ブッチ(butch)[日本語ではタチ
セックスのときのポジションで、攻める(リードする)側のこと。

■ フェム(femme)[日本語ではネコ
セックスのときのポジションで、受ける(リードされる)側のこと。

■ 全天(全天候の略)[日本語ではリバ
タチとネコ、どちらもできる人のこと。

そして、日本のレズビアン用語ではボイ(boyish)とフェム(femme)といって、セックスのときのポジションではなく、見た目で分ける用語もあります。

 

ボイ(ボーイッシュ:boyishの略):見た目が少年的・男性的な人。
フェム(femme):見た目が女性的な人。
中性:見た目が中性的な人。
(髪の長さ、化粧、ファッション、振る舞い、話し方などで区別することが多いです)

タチが必ずしもボイである必要もなければ、ネコが必ずしもフェムである必要もなく、
見た目とセックスのポジションを組み合わせて、
「ボイタチ」「ボイネコ」「フェムタチ」「フェムネコ」といった言い方をすることもあります。

さて、レズビアン用語からは離れて……。

 

セックスの相性的な面で、タチとネコのカップルが多いのは事実です。

しかし!
先ほどゲイ用語でも解説したように、
タチは必ずネコに、ネコは必ずタチに惹かれるわけではありません。

タチに惹かれるタチ、ネコに惹かれるネコも多く存在します。
リバの存在も忘れないでくださいね〜

 

ところが!
同性愛者の中では、タチとネコの区分に対する批判の声が多く出てきています。

「男らしい人」と「女らしい人」を分けること、
または「攻める者」と「受ける者」を分けることが、
まるで異性愛カップルの「男」と「女」に分けるようで、
異性愛中心的な思考が反映されていると考えるからです。

そうして韓国のレズビアンの中では、自分自身を無性向と呼ぶ人がとても多くなりました。
彼女らは言葉通り「性向(タチやネコ)」を分けず、自分の見た目とポジションは無関係だと主張します。

 

筆者も自分自身を無性向的に分類しますが、その理由は!
タチ・ネコの区分が苦手というよりは、本当に「性向」がないからです……。

攻めたい時もあれば、受けたい時もあって、
受けたい時もあれば、攻めたい時もあって、
まぁそういうことではないでしょうか?

 

韓国では少し前から、「昼勝夜負」「昼負夜勝」といった単語が流行っています。
※韓国のバラエティ番組から生まれた流行語。恋人との関係において、自分がいつ主導権を握るかを表すもので、「昼・夜」「勝ち・負け」を組み合わせて「昼勝夜勝」「昼勝夜負」「昼負夜勝」「昼負夜負」の4つのタイプに分類します。

筆者は、タチとネコの区分というのは、「昼勝夜負」「昼負夜勝」などと似たような概念だと思います。
私たちが面白がって「昼勝夜負」「昼負夜勝」を分けて友達同士で雑談するみたいに、
同性愛者もタチとネコを分けて友達同士で雑談する中で、面白いジョークがたくさん生まれます。

これも同性愛者の文化なので、あえて排斥する必要があるでしょうか?

 

異性愛は男性と女性が出会うため、
男性は自分自身を自然に「男らしい側」または「攻める側」に、
女性は自分自身を自然に「女らしい側」または「受ける側」として認識するのです。

しかし、同性愛は同性同士が出会うため、異性愛中心的な思考から抜け出し、
異性愛者よりも、自分自身の見た目とポジションについてさらに深く考えるきっかけが与えられ、
自分のアイデンティティーについてさらに詳しく知るチャンスが与えられたのだから、
見方を変えれば、ある意味、とてもありがたいことなのではないでしょうか?

今日の講座はここまで~

 

では、次回の講座で会いましょう♥
ハッピープライド!

 

※本連載は24回で完結します。各回個別の解説だけでなく、全体を通して、LGBTQ+について、少しでも理解が深まればと考えています。

※LGBTQ+に関する用語や定義等は、新しい研究成果やものの見方、知見によって更新されていくものです。また、考え方や立場などによって見解が異なる場合もあるでしょう。これが「正解」という明確な答えがないことは承知しつつ、なるべく一般的で、できるかぎり新しい見解を取り入れられるよう努めていきたいと思っています。その点、ご理解ください。

 

原文:YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)
JLIPSという名前でユーチューブ活動をしていて、ジェンダーとセクシュアリティに関するブログである마성의 게이を運営している。
( Youtube:http://youtube.com/jlipss / Blog:http://blog.naver.com/queerdigger
日本語訳:on Lee(TRP理事)