LGBTQ+に関する用語をわかりやすく解説していると、韓国で話題となっている「YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)」さんのブログ。 これをご本人の許諾のもと日本語に翻訳し、日本のみなさんにもお届けします!

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日本のみなさん、こんにちは。
YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)です。

今回はひとりの個人の異性愛、同性愛、両性愛の程度を測る尺度について紹介しようと思います。

キンゼイ・スケール(Kinsey Scale)
ストームズ・モデル(Storms' Model)
クライン・セクシュアリティ・グリッド(Klein Sexuality Grid)

の3つの尺度についてです!

 


キンゼイ・スケール(Kinsey Scale)

まず紹介するキンゼイ・スケール(Kinsey Scale)は、最初に発見されたものとされており、最も有名な尺度です。
ですのでこのテーマに関心が高い方は、各種の外国での投稿、または米国ドラマなどで聞いたこともあろうかと思います。

実際に米国ドラマの『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック(Orange is the New Black)』でも、キンゼイ・スケールについて言及するセリフが何度か出ていましたね。

「人々は、スペクトルのどこかにいる。キンゼイ・スケールのように」
- 『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』

 

セックス、ジェンダー、生殖について研究する「キンゼイ研究所(Kinsey Institute)」の創設者、アルフレッド・キンゼイ(Alfred Kinsey)が刊行した2冊の報告書、
『人間男性の性行動(Sexual Behavior in the Human Male)』(1948年)と『人間女性の性行動(Sexual Behavior in the Human Female)』(1953年)で紹介されている尺度で(この2冊を合わせて一般に『キンゼイ報告(Kinsey Reports)』と呼ぶ)、
「0」(完全な異性愛)から「6」(完全な同性愛)までの尺度であり、
その他の回答である「X」は、「社会における性的な交流や反応がない(no socio-sexual contacts or reactions)」を意味します。
学者たちは、この「X」は「無性愛(asexuality)」を意味すると見ています。

 

0=完全な異性愛。同性とのいかなる性的経験も欲望もなし。
1=主に異性愛、偶発的同性愛。
2=主に異性愛。しかし、偶発的なものよりはもっと多い回数で同性愛。
3=均等に異性愛と同性愛。
4=主に同性愛。しかし、偶発的なものよりはもっと多い回数で異性愛。
5=主に同性愛、偶発的異性愛。
6=完全な同性愛。異性とのいかなる性的経験も欲望もなし。
X=社会における性的な交流や反応がなし。

 

インターネットにお楽しみでキンゼイ・スケールを測定できるテストがあったので、添付してみます。
ここで出てくる結果は絶対だとは思わず、試しに一度やってみてください。
(テスト1) http://vistriai.com/kinseyscaletest/
(テスト2) https://www.buzzfeed.com/awesomer/lets-talk-about-sex?utm_term=.fbLGO17g4#.myxeRLw24

 


ストームズ・モデル(Storms' Model)

キンゼイ・スケールで無性愛者を尺度に含めず「X」で別に置いたという短所を補完して、1979年にマイケル・ストームズ(Michael Storms)が発表した二次元の表で、
x軸はヘテローエロティシズム(hetero-eroticism:異性)、y軸はホモーエロティシズム(homo-eroticism:同性愛)、原点oはアセクシュアル/エイセクシュアル(asexual:無性愛)を意味します。

 

アセクシュアリティ(asexuality)は反映されましたが、
性的指向(sexual orientation)と恋愛的指向(romantic orientation)の違いを反映できておらず、
ノンバイナリー(nonbinary)ジェンダーを含めなかった(伝統的な性別である男性と女性だけが含まれた)
という欠点があります。

 


クライン・セクシュアリティ・グリッド(Klein Sexuality Grid)

キンゼイ・スケールでひたすら二次元的な性的指向を測定したという欠点を補完して、
1978年フリッツ・クライン(Fritz Klein)が出版した本『バイセクシュアルという生き方(The Bisexual Option)』(リンク:https://www.amazon.co.jp/バイセクシュアルという生き方-フリッツ-クライン/dp/4768467164で出てきた多次元的図表(multidimentional grid)で、
過去、現在、そして理想的な未来(idealized future)での自分の性指指向を1から7の尺度で計算する尺度です。

Past(過去)は、青年期前期から1年前まで(from early adolescence up to one year ago)
Present(現在)は、12カ月以内(within the last 12 months)
Ideal(理想)は、選ぶことができるなら何を選ぶか(what would be chosen if it were voluntary)を意味します。

 

少しくだけた感じで英訳してみると、

A. 性的魅力。誰に性的に惹かれますか?
B. 性的行動。誰とセックスをしましたか?
C. 性的ファンタジー。誰に性的ファンタジーをいだきますか?
D. 情緒的な好み。誰により情緒的に惹かれますか?
E. 社会的な好み。どんな性別と社会的に親しく過ごしていますか?
F. ライフスタイルの好み。どんなコミュニティ(人々の集団)と時間を過ごすのが好きですか? 最も気楽ですか?
G. 自分のアイデンティティ。自分自身をどのように認識しますか?

 

A〜Eに対する回答(選択肢):

1=異性とのセックスのみ
2=ほとんど異性とのセックス
3=まあまあ多くの異性とのセックス
4=両性とのセックスがほぼ半々
5=まあまあ多くの同性とのセックス
6=ほとんど同性とのセックス
7=同性とのセックスのみ

 

F・Gに対する回答(選択肢):

1=異性愛者のみ
2=ほとんど異性愛者
3=まあまあ多くの異性とのセックス
4=異性愛者/同性愛者が半々
5=まあまあ多くの同性愛者
6=ほとんど同性愛者
7=同性愛者のみ

 

こちらも気軽に試せるクライン・セクシュアリティ・グリッド・テストです。
すべて答えたら必ず「Submit」を押してください。誤って「Reset Form」を押すと、最初からやり直しになります;(筆者もそれで…)
(テスト3) http://sid.southampton.gov.uk/kb5/southampton/directory/advice.page?id=RsuF5ehfWvQ&familychannel=10-4

クライン・セクシュアリティ・グリッドは
性的対象の年齢を考慮したこと、
人々の性的指向が時間によって変化する可能性があることを考慮した点、
愛と友情の感情的好みの対象を区別したこと、
性的魅力、性的行動、性的ファンタジーを区分したこと、
多次元的でダイナミックな性指向性を反映しようとした長所を持っていますが、

キンゼイ・スケールやストームズ・モデルと同様に
ノンバイナリー(nonbinary)ジェンダーを反映できておらず(伝統的な性別である男性と女性だけが含まれた)
社会的な好みと感情的な好みを「過去・現在・理想」に分けたのは、性的指向とは関係のないことを測定することにならないかという批判を受けています。

 

今回紹介した尺度に、ノンバイナリージェンダーが含まれていなかった点が個人的には気に入らないのですが〜

異性愛者、両性愛者、同性愛者と、くっきりと分かれるのではなく、私たちみんなはスペクトル上にあって、
それでも大丈夫であることをお伝えしたくてこの講座を書いてみました。:)

 

では、次回の講座で会いましょう♥
ハッピープライド!

続けて[第18回]を読む:https://tokyorainbowpride.com/magazine/lgbtqcourse/17114/

※本連載は24回で完結します。各回個別の解説だけでなく、全体を通して、LGBTQ+について、少しでも理解が深まればと考えています。

※LGBTQ+に関する用語や定義等は、新しい研究成果やものの見方、知見によって更新されていくものです。また、考え方や立場などによって見解が異なる場合もあるでしょう。これが「正解」という明確な答えがないことは承知しつつ、なるべく一般的で、できるかぎり新しい見解を取り入れられるよう努めていきたいと思っています。その点、ご理解ください。

原文:YOUTUBER JLIPS(마성의 게이)
JLIPSという名前でユーチューブ活動をしていて、ジェンダーとセクシュアリティに関するブログである마성의 게이を運営している。
( Youtube:http://youtube.com/jlipss / Blog:http://blog.naver.com/queerdigger
日本語訳:on Lee(TRP運営スタッフ)

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