TRPに長年の協賛を続けてきたドイツ銀行。今年度から単独協賛を決めた理由とは

ドイツ、フランクフルトを本拠地とする、ドイツ最大の金融機関であるドイツ銀行グループ。東京レインボープライドへ企業アライアンス「LGBT FINANCE」の一員として長年協賛をしていたが、本年は単独で協賛を決定した。その経緯やDEIを重視する風土、従業員ネットワーク「dbPride」の取り組みについて、メンバーの皆さんに話を聞いた。

取材・文/もうすん 撮影/清原明音

ードイツ銀行グループの会社概要を教えてください。

ドイツ銀行は、欧州に深く根ざしつつグローバル・ネットワークを有するドイツ最大の銀行です。個人顧客、中小企業、事業法人、各国政府および機関投資家に対し、リテール・バンキング、プライベート・バンキング、コーポレート・バンキング、トランザクション・バンキング、融資および資産運用の商品およびサービス、ならびに投資銀行業務を提供しています。

日本におきましては 1872 年(明治5年)、ドイツ銀行は本店設立後2 年で、初の海外支店として横浜に支店を開きました。それから150 年以上の長い歴史のなかで、ドイツ銀行グループはドイツ証券株式会社、ドイツ銀行東京支店、そしてドイチェ・アセット・マネジメント株式会社を通じて日本のお客様へさまざまな金融サービスをご提供しています。

DEIを重視することで
多様な人材による職場を実現

ー会社としてDEIに関してどのような事に力を入れていますか。

ダイバーシティ、エクイティ、およびインクルージョン(DEI)において、より多様性に富んだ魅力的な人材が育ち、長く働く組織であることが経営戦略上重要であると考えています。そのためには組織的、個人的、対人的な変化への長期的かつ、固い決意に基づく投資が必要であるとし、才能溢れる多様なチームを構築しています。

才能はすべての文化、国、人種、性別、性的指向、能力、信念、世代、背景および経験に由来します。そしてDEI は、ドイツ銀行が顧客、パートナー、およびコミュニティとの関係を強化するものだと考えています。

ドイツ銀行のCEO であるクリスティアン・ゼービングは以下のように述べています。

「改革を経て持続的な成長をするためには、多様な人材の育成と成長がその目的の根幹を成します。私たちは適正な人材配置を念頭にどのように協力し合い、導き、学ぶかを常に見据えています

また、日本におきましても、チーフ・カントリー・オフィサーである本間民夫のリーダーシップのもと、DEI の促進に注力しており、全ての従業員が常に本来の自分でいられるインクルーシブな職場環境を目指しています。本間はDEI について以下のようにコメントしています。 

「日本におけるドイツ銀行グループにおいても DEIは概念ではなく、日々取り組むべき実践の核です。一人ひとりの声が聞かれる環境を醸成し、さまざまなバックグラウンドを持つ従業員が平等にチャンスを享受でき、組織として成長していきたいと思っています」

日本のドイツ銀行グループは、インクルーシブな職場を推進する「ワーク・ウィズ・プライド」より、2015年から7年連続で「ゴールド」を獲得いたしました。

ー従業員リソースグループ「dbPride」について教えてください。

「dbPride」はドイツ銀行のグローバルなLGBTQ+の従業員ネットワークです。ダイバーシティ&インクルージョンが促進され、自分らしく働ける職場環境を作ることを使命とし、意識向上にむけたネットワーキングの実施から、大規模なプライド・パレードまで、世界中で豊富なイベントにも参加してまいりました。これは従業員が自らの才能を開花させ、成功するため、世界規模で活動を支援するドイツ銀行の経営陣の気持ちを表しています。

ドイツ銀行のdbPride のグローバル・チェアである、ジョン・ティリは以下のように述べています。

DEIは、ドイツ銀行の人材、ESG、ビジネス ・アジェンダの中核です。DEIの推進により、高いパフォーマンスを発揮するチームにはそれぞれが違ったスキル、バックグラウンド、経験を有する従業員たちが集まっていて、彼らの多様な視点により、より優れた、より持続可能なソリューションをご提供することに成功しています。また人事面においても弊社の取り組みは女性や Z 世代のメンバーを惹きつけるのに効果的でありDEI が従業員、お客様が成功するための成功要因であることをLGBTQ+のプログラムやさまざまなカンファレンスの場を通じてお伝えしています」

プライドは理解促進の絶好の機会
DEIは概念ではなく日々取り組むべき実践の核

ー日本国内での活動についてお聞かせください。

日本においては、2013 年11月に「dbPride」を設立し、よりインクルーシブな職場を作る、というミッションのもと、LGBTQ+ 当事者の従業員、またそれを支援するアライが積極的に活動しています。東京でのプライド・パレード、「LGBT FINANCE」 のイベントなどに参加することで、より広い社会への理解の促進にも取り組んでいます。

ー直近ではどのような活動を予定されていますか。

一例として、東京レインボープライド2024(TRP)を前に、LGBTQ に関するランチタイム・トーク・セッションを開催します。今年の当行のチャリティ・パートナーである認定NPO 法人ReBitの代表理事である、薬師様をゲストとしてお迎えし「LGBTQ+とは?」「多様性て何?」「レインボープライド・パレードとは?」「偏見のない社会とは?」などを議題に、日本の従業員、そしてdbPride のメンバーとともに考えるイベントを企画しています。これはTRP イベント前の機会をとらえ、LGBTQ+について学んでもらうよう、幅広く日本の従業員に告知されています。

ーこれまでLGBT FINACEとして長年TRPに協賛されていましたが、今年単独での協賛に至った背景についてお聞かせください。

ドイツ銀行は日本におけるダイバーシティを推進する努力に向けた支援の表れとして、今般、本社の取締役会メンバーのサポートのもと、TRPの単独のスポンサーになることを決定しました。

これはTRPの意義ある、そして素晴らしい取り組み、すなわちパレードへの貢献することで私たちの決意を表明させていただく機会と、従業員やアライがダイバーシティへの支持を新たにし、継続的に支援する目的でもあります。

ー今年のTRPのテーマが「変わるまで、あきらめない。」なのですが、ドイツ銀行グループ様が会社として続けている事・大切にしている事があればお聞かせください

ドイツ銀行グループでは、更なる業績の向上を目指し、才能溢れる多様なチームを構築しています。才能はすべての文化、国、人種、性別、性的指向、能力、信念、世代、背景および経験に由来します。

ダイバーシティ、エクイティ、およびインクルージョンは、ドイツ銀行グループが、顧客、パートナー、および事業を営むコミュニティとの関係の強くするものだと考えています。その為に私たちは、人々がお互いを尊重する、インクルーシブな環境の構築を目指しています。